内視鏡検査について

内視鏡検査のイメージ画像

胃がん・大腸がんは日本人のがん死因の第2位と第3位(2019年統計・第1位は肺がん)を占めており、非常に怖い病気です。
しかし、現在では胃がん・大腸がんは早期に発見出来れば、お腹を切る手術や抗がん剤治療を受けなくても内視鏡で切除することが出来ます。
健康診断で受けるバリウム検査や便潜血反応などもとても重要ですが、胃がん・大腸がんを正確に診断できる検査は内視鏡検査しかありません。
お腹の症状がある方はもちろん、無い方も定期的な検査をお勧めします。当院では熟練の技術と最新のシステムで患者様の検査を行っています。

胃カメラ

口もしくは鼻から内視鏡を挿入し、のど・食道・胃・十二指腸を観察する検査です。
のどの反射が強い方や検査に不安を感じる方には鎮静剤(麻酔)を使用し、半分~完全に眠った状態で検査を行います。鎮静剤を使用した場合、検査後は回復室で覚醒するまで休んでいただきます(1~2時間程度)。鎮静剤使用時は自転車、バイク、車の運転は避けていただくことが必要です。

胃カメラは月曜日~金曜日の午前中に予約制で行っています。当日のお申込みは検査枠に空きがある場合に限り、受付しています。予約の患者様が優先となるため、予約状況や外来の混雑状況次第では、長時間お待たせしてしまうことや、当日の検査をお断りさせていただく場合がありますのでご了承ください。症状が強い場合などで緊急検査が可能かどうかについては、電話にてお問い合わせください。

熊本市にお住まい(住民票登録)の方で満50歳以上・偶数年齢の方は2年に1回、熊本市胃がん内視鏡検診(3,000円 70歳以上の方は無料)を受けることが出来ます。

経鼻内視鏡と経口内視鏡の違い

経鼻内視鏡:鼻から細いスコープを挿入して検査を行う経鼻内視鏡は舌の上を通らないため”オエッ”となりにくく、局所麻酔を使用し、鎮静剤が必要ないため時間があまりない方にお勧めです。以前は経口内視鏡に比べて画質が悪いことが問題でしたが、現在はハイビジョンとなり、画質に差はありません。検査後は回復室で10~20分ほど休んでいただき、検査後の鼻出血などが無いことを確認した後に説明を聞いて帰宅することが出来ます。欠点としては、検査中はずっと目が覚めているためお腹の中の不快感が多少生じます。また、鼻が弱い方は時折鼻出血が生じる場合があります。

経口内視鏡:鎮静剤を使用し、半分~完全に眠った状態で行います(慣れている方は鎮静剤を使用しない場合もあります)。以前はスコープの太さが10mm以上あり、喉の反射が確実に起きていましたが、現在ではスコープの太さは約半分(5.4mm)まで細くなっており、適切な鎮静剤量の調整と医師の熟練の技術を組み合わせることで、経口でも患者様は殆ど苦痛なく検査を行うことが出来ます。経鼻内視鏡の鼻の違和感などがどうしてもなじめず経口内視鏡の方が良いという方も多く、好みは別れます。熊本では経鼻内視鏡があまり浸透していないこともあり、当院では90%の患者様が経口内視鏡を選択されていますが、ほとんどの患者様が苦痛を感じることなく検査を終えています。

大腸カメラ

肛門から内視鏡を挿入し、大腸を観察する検査です。検査に不安を感じる方や、手術歴があり痛みを生じやすい方には鎮静剤(麻酔)・鎮痛剤を使用し、半分~完全に眠った状態や苦痛を減らした状態で検査を行います。検査後は回復室で鎮静剤が覚めるまで休んでいただきます(1~2時間程度)。鎮静剤使用時は自転車、バイク、車の運転は避けていただくことが必要です。
大腸の中には便が詰まっており、内視鏡を挿入しても便で病気が隠れてしまいます。そのため、前日と当日に前処置薬(下剤)を飲んでもらい、腸をキレイに洗い流した状態で検査を行います。
前日から前処置が必要なため、検査は予約制となります。当日の下剤服用はご自宅もしくはクリニック内のトイレ付き完全個室をお選びいただけます。 小さなポリープであれば、検査当日に日帰りで内視鏡切除を行うことが可能です。
大腸カメラは大腸と小腸の一部を観察するのには欠かせない検査です。がんやポリープ、炎症などを早期発見するためにも大腸カメラを定期的に受けるようにしましょう。

大腸前処置室(完全個室)

大腸前処置室の写真①
大腸前処置室の写真②

プライバシーに配慮した完全個室でソファー、テレビ、トイレがついております。

検査費用(保険適用)

胃カメラ

     1割負担 2割負担 3割負担
検査 1,300~1,600円程 2,500~3,200円程 4,000~4,800円程
+ピロリ菌検査 +550円程 +1,100円程 +1,600円程
+病理組織検査 +1,300~3,700円程 +2,600~7,300円程 +4,000~11,000円程

大腸カメラ

     1割負担 2割負担 3割負担
検査 1,750円程 3,500円程 5,200円程
+病理組織検査 +1,300~3,700円程 +2,600~7,300円程 +4,000~11,000円程
日帰りポリープ切除 1ヶ所 8,000円前後 16,000円前後 24,000円前後
日帰りポリープ切除 2ヶ所 9,000円前後 18,000円前後 27,000円前後
日帰りポリープ切除 3ヶ所 10,000円前後 20,000円前後 30,000円前後

検査費用(検診・自費)

胃カメラ(自費・診察料込)
16,700円(税込)
胃カメラ(検診オプション)
13,200円(税込)
胃カメラ
(熊本市胃がん内視鏡検診)
3,000円(50歳以上・偶数年)※70歳以上無料

患者様の苦痛軽減のための内視鏡検査機器

内視鏡室

オリンパス社製 GIF-H190N
オリンパス社製 GIF-H190N

先端径5.4mmと非常に細い内視鏡スコープを導入しており、鼻からの挿入時に患者様の違和感・異物感を軽減します。口から挿入することで、従来の経口用スコープと比べてのどの反射の軽減にもつながります。
また、従来の経鼻用内視鏡スコープは経口用と比べて画質が数段落ちてしまうことが難点でしたが、GIF-H190Nは新型のイメージセンサーが導入されており、高精細なハイビジョン画像で検査を行うことが出来ます。

二酸化炭素送気装置

オリンパス社製 UCR
オリンパス社製 UCR

内視鏡検査は空気でお腹を膨らませて検査を行うため、お腹の張り感や不快感が生じてしまいます。検査後しばらく症状が続くこともあるため、大腸カメラを苦痛に感じる原因の一つでもあります。当院ではお腹の張りや不快感を軽減するために、UCR(炭酸ガス送気装置)を使用しています。炭酸ガス(二酸化炭素)は空気と比べて100倍以上の速さで腸管から血液へ吸収され、呼吸によって体の外へ排出されます。検査後は膨らんだ腸管が速やかに元に戻っていくため、苦痛の軽減につながります。

内視鏡スコープガイド

オリンパス社製 UPD
オリンパス社製 UPD

大腸の形状は1人1人が異なり非常に複雑です。熟練した手技をもってしても、腸の長さやお腹の癒着などが影響して挿入が難しい場合があり、苦痛が生じてしまうことがあります。当院ではリアルタイムに内視鏡スコープの形状と現在地を検査画面上に表示する観測装置を導入しており、捻じれや押し込みといった検査中の腸管ストレスを軽減することで患者様の負担の少ない検査を行っています。

感染防止のための徹底した内視鏡洗浄

カイゲン社製 クリーントップ
カイゲン社製 クリーントップ

当院では安全でクリーンな内視鏡検査を提供するために自動洗浄機を導入し、日本消化器内視鏡学会の「消化器内視鏡の感染制御に関するマルチソサイエティ実践ガイド」に準じた洗浄・消毒を1検査ごとに厳重に行うことで、患者様への感染制御を徹底しています。

診療科目
内科・胃腸内科・糖尿病内科・放射線診断科
所在地
〒861-8003
熊本市北区楠6-1-1
アクセス
電車:JR「武蔵塚駅」より車で3分(約870m)
バス:熊本電鉄バス「楠5丁目停留所」より徒歩2分
…外来 …8:30-12:30
休診日…木曜午後、土曜午後、日曜、祝日
診療時間 日祝
8:30-12:00
14:30-18:00
map